イオン化傾向のごろ合わせ

陽イオンになりやすい順番を覚えておくと、酸化還元反応がどのように進むか理解しやすいです。
イオン化傾向の差は日常生活に色々と応用されています。

たとえば、

・トタン
屋外で使用される金属の波板の屋根とかに使われています。
鉄の基材に鉄よりもイオン化傾向の大きな亜鉛をめっきし、
基材の鉄より先に亜鉛が腐食することで、基材の鉄が錆びにくくしています。
めっきの亜鉛が傷ついて、鉄の基材がむき出しになっても基材の鉄は錆びにくい性質があります。

・ブリキ
缶詰の缶に利用されたりします。
鉄の基材に鉄よりもイオン化傾向の小さなスズをめっきすることで、
基材の鉄に皮膜を作って錆びにくくしています。
ただし、めっきのスズにが傷ついて、鉄の基材がむき出しになると、
イオン化傾向の大きな方の基材の鉄が先に錆びてしまうので、
キズのつきにくい屋内使用のものに使用されことが多いです。

・冒頭の写真
冒頭のスクリューの写真は、仲良くしていただいている遊漁船の船長さんの船のメンテナンスをお手伝いしたときに撮影したものです。
スクリューの手前側にある梶に、2本のボルトで固定された腐食した金属片がわかるでしょうか。
これは、マグネシウムのプレートだそうで、船の金属部分にこれを取り付けて、この金属片とアースを取ることで、船に使用している金属の腐食を予防しているとのことでした。
以下のイオン化傾向の順番を見てもらえば解りますが、マグネシウムは、船に多用されているであろう鉄、銅、アルミニウム、ニッケルなどの金属よりもイオン化傾向が高いため、マグネシウムが先に腐食することで、鉄などのほかの金属の腐食を予防しています。
5cm×10cm程度のマグネシウム塊2個で船全体の腐食を予防しているとは、凄いですね!!
船底みながら、一人で感動してました(笑)

大 ← 貸そうかな。まぁ、あてにすな、ひどすぎる借金。 → 小
か(そう)
K Ca Na Mg Al Zn Fe Ni
カリウム
カルシウ ナトリウム マグネシウム アルミニウム 亜鉛 ニッケル
ぎ(る) しゃっ きん
Sn Pb (H) Cu Hg Ag Pt Au
スズ 水素 水銀ン 白金